本文へスキップ

楽古文
「ばや」の識別

「ばや」の識別

1 願望の終助詞「ばや」
   例:
五月来ばなきもふりなむほととぎすまだしきほどの声を聞かばや  (古今集)
     
(五月になったらその声は鳴き古したものになってしまうだろう。ほととぎすよ、早いころの声を聞きたいものだ。)

      「未然形+ばや」の形で文末にある。

     終助詞「ばや」と終助詞「なむ」の違いにも注意。
      ばや = 自分の動作の実現を望む。「…したいものだ。…しよう。」の意
      なむ = 他に対し動作の実現を望む。「…してもらいたい。…してほしいものだ。」の意

2 仮定条件・確定条件を表す接続助詞「ば」+疑問の係助詞「や」
  @ 接続助詞「ば」が未然形についている場合、仮定条件を表す。
   例:
心あてに折らばや折らむ初霜の置きまどはせる白菊の花          (古今集)
     
(あて推量にもし折るとするなら折りもしようか。初霜が置いてその白さで紛らわしている白菊の花を。)

      「未然形+ばや」の形で文末が連体形となっている。(この例では意志の助動詞「む」の連体形。)

  A 接続助詞「ば」が已然形についている場合、確定条件を表す。
   例:久方の月の桂も秋はなほ紅葉すればや照りまさるらむ            (古今集)
     
(月にはえているという桂の木も秋はやはり紅葉するので、月はいっそう照り輝くのだろうか。)

      「已然形+ばや」の形で文末が連体形となっている。
     (この例では現在推量の助動詞「らむ」の連体形。
      この「らむ」は目に見えることに対してその原因を推量する意を表している。)

ナビゲーション