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楽古文
重要敬語 複合動詞の敬語



 複合動詞の敬語

   複合動詞の場合、その上のほうの動詞を尊敬語あるいは謙譲語にすることが多く見られる。

   たとえば、上の動詞を尊敬語にした例として、
     昔の御事おぼしいでて、……

   この「おぼしいづ」は「思ひいづ」の上の動詞「思ふ」を尊敬語にしたものである。
   同様な例は、
     思ひ知る → おぼし知る・おもほし知る
 
      (「思ふ」を尊敬語「おぼす」「おもほす」にして尊敬表現としている)
     送る → 御覧じ送る
       (「見る」を尊敬語「御覧ず」にして尊敬表現としている)

     言ひおく → のたまひおく
       (「言ふ」を謙譲語「聞こゆ」にして謙譲表現としている)

   謙譲語の場合も同様で、たとえば、

     聞きおよぶ → うけたまはりおよぶ
       (「聞く」を謙譲語「うけたまはる」にして謙譲表現としている)

     言ひかはす → 聞こえかはす
       (「言ふ」を謙譲語「聞こゆ」にして謙譲表現としている)

   という形になる。

   また、謙譲(丁寧)の補助動詞「たまふ」は、複合動詞の間にはいるのがふつうである。

   たとえば、
     命長さの、いとつらう思ひたまへ知らるるに、……
   の「思ひたまへ知る」は、「思ひ知る」の間に謙譲(丁寧)の補助動詞「たまふ」がはいったものである。
   同様に、

     思ひ立つ → 思ひたまへ立つ
     見知る → 見たまへ知る
   などの形で用いられる。
   下の語が動詞(用言)なので、連用形「たまへ」となっている。(謙譲の補助動詞「たまふ」は下二段活用)

   (尊敬の補助動詞「たまふ」は四段活用で、連用形は「たまひ」である)

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