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楽古文
伊勢物語 深草の女 問題  
      昔、男ありけり。深草にすみける女を  (第百二三段)


 昔、男ありけり。深草にすみける女を、やうやう飽きがたにや思ひけむ、かかる歌をよみけり。
  年をへて住みこし里をいでていなばいとど深草野とやなりなむ
 女、返し、
  野とならば鶉となりて鳴きをらむかりにだにやは君は来ざらむ
とよめりけるにめでて、行かむと思ふ心なくなりにけり。


問題の答は、反転させると見やすくなります。

1 伊勢物語の文学的ジャンルを答えなさい。
  歌物語

2 伊勢物語の主人公と想定されている人物の名を答えなさい。
  在原業平


3 下線部の説明として適切なものはどれか。記号で答えなさい。
 1)深草すみける女を                 (  )
 2)やうやう飽きがたや思ひけむ             (  )
 3)かりにだやは君は来ざらむ              (  )
 4)行かむと思ふ心なくなりけり              (  )

  ア 格助詞    イ 接続助詞    ウ 完了の助動詞の連用形    エ 断定の助動詞の連用形    オ 形容動詞の連用形の活用語尾
  カ 副詞の一部    キ 副助詞の一部

4 下線部を文法的に説明しなさい。
 
1)やうやう飽きがたにや思ひけむ            過去推量の助動詞「けむ」の連体形(「や」の結び)
 2)いとど深草野とやなりなむ              強意の助動詞「ぬ」の未然形+推量の助動詞「む」の連体形
 3)野とならば鶉となりて鳴きをら             ラ行変格活用動詞「をり」の未然形
 4)とよめけるにめでて、                完了の助動詞「り」の連用形

5 下線部の語句の文中での意味を答えなさい。
 
1)やうやう飽きがたにや思ひけむ                 次第に
 2)いとど深草野とやなりなむ               ますます
 3)とよめりけるにめでて                 感心して


6 下線部を現代語訳しなさい。
 1)やうやう飽きがたにや思ひけむ             飽きてきたように思ったのだろうか
 2)年をへて住みこし里をいでていなば           もし出て行ったならば
 3)行かむと思ふ心なくなりにけり。             去っていこうと思う気持ち


7 「年をへて…」の歌について
 1)誰の誰に対するどのような気持ちを表しているか。
   男の女に対する、愛情がさめてきた気持ち。
 2)掛詞を指摘しなさい。
   「深草」が、地名の深草と、草深いこととの掛詞。

8 「野とならば…」の歌について
 1)「野とならば鶉となりて鳴きをらむ」の解釈として適切なものはどれか。
  ア 草深い野となるので、私は鶉となって鳴きながらあなたのことを待ちましょう。
  イ もし草深い野となるなら、あなたは鶉となって鳴くのでしょう。
  ウ 草深い野となるのなら、私は鶉となって鳴いていましょう。
  エ 草深い野となるから、鶉となって鳴くことになるしかないのでしょうか。
           (  )

 2)「かりにだにやは君は来ざらむ」の部分に用いられた掛詞を指摘し、全体を解釈しなさい。
  掛詞  「かり」が「狩り」と「仮」との掛詞
  解釈  せめて鶉を狩りにだけでも、かりそめにだけでもあなたは来ないでしょうか、いえきっと来てくださるでしょう。


 3)何句切れの歌か。
    三句切れ

9 男は女の歌をきいて、1)どんな気持ちになったか。2)そのような気持ちになったのはなぜか。
 1) 女のもとから去ろうという気持ちがなくなった。
 2) 女の素直な心を詠んだ歌に感心したから。
   (別れをほのめかす男に恨みごとをいうでもなく、かりそめにでも来てほしいという女のいじらしさに心打たれたから。)


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