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楽古文
重要敬語 きこゆ・きこえさす



 きこゆ・きこえさす
  「言ふ」謙譲語 
   
謙譲の補助動詞

   「きこゆ」は「言ふ」の謙譲語。補助動詞としても用いられた。
   「聞こえる」という意味の動詞「きこゆ」が基本で、「聞こえる」の意の場合は謙譲語ではない。
   謙譲語の「きこゆ」は、相手の人に聞かれる、またはしぜんに耳にはいる、という
   意味から生まれた用法と考えられる。一般動詞と敬語動詞とを区別することが必要である。
   「きこえさす」は、「きこゆ」よりもさらに謙譲の意が強い表現である。動詞・補助動詞として
   「きこゆ」と同様に用いられた。
   


   

   例1:「さては、扇のにはあらで、くらげのななり。」と聞こゆれば……。
      
(「それでは、扇の骨ではなく、くらげの骨であるようですね。」と申しあげると……。)

   例2:良覚僧正と聞こえしは、きはめて腹あしき人なりけり。
      
(良覚僧正と申しあげた方は、たいへんおこりっぽい人であった。)

   例3:(姫君は)尼君を恋ひきこえたまふ折多かり。      (謙譲の補助動詞)
      ((姫君は)尼君を恋しく思い申しあげなさることが多い。)

   例4:
聞こえさせつるやうに、かたちなど、いとまほにもはべらざりしかば、……。
      
(申しあげたように、容貌など、それほどととのってもおりませんでしたので……。)

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