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楽古文
重要敬語 まかる・まかづ



 まかる(罷る)・まかづ(罷づ)
  「退出する」意謙譲語
  
「行く」「来」の謙譲語 

   「まかづ」は「まかる+いづ」の「まかりいづ」が変化したもので、「まかる」と同じ意味。
   身分の高い人のもとから退く時に用いる謙譲語。「退出する」意が基本となる。
   例文2は京から地方に行くので「まかる」が用いられている。
   「まかる」「まかづ」は、「行く」「来」の謙譲語としても用いられた。
   「退出する」意はなく「まゐる」と同意である(例文34)。
   また、「まかる」は、他の動詞の上について謙譲表現をつくることも多い(例文5)
   「まかる」には「死ぬ」意もある(=「みまかる」)。

   

   

   例1:憶良らは今はまからむ子泣くらむそを負ふ母も吾を待つらむぞ
      
(憶良はもう退出しよう。子が泣いているだろうし、その子を背負っている母も私を待っているだろうよ。)

   例2:陸奥国へまかりける人に、詠みてつかはしける
      
(陸奥国へ下った人に詠んでおくった(歌)。)

   例3:人のもとにしばしばまかりけれど、あひがたく侍りければ、…
      (ある人のところにたびたび参りましたが、会いにくく思いましたので、…。)

   例4:
老いかがまりて室の外にもまかで
      
(年をとって腰がまがって、庵室の外にもでかけない。)

   例5:しばしまかりいでなばやと思へど、…
      
(しばらくは外に出てしまいたいと思うが、…。)

  <参考> 「まかる」と「まゐる」の二語は、古くは全く反対の意を表したが、
   のちに「まかる」は「行く」「来」などの謙譲語としても用いられるようになり、
   「まゐる」も原義の「参上する」から転じて「行く」「来」の謙譲語として用いられ、

   二語は混用されるようになった。

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