本文へスキップ

楽古文
枕草子 ありがたきもの 問題
      ありがたきもの、舅にほめらるる婿。


 ありがたきもの、舅にほめらるる婿。また、姑に思はるる嫁の君。毛のよく抜くるしろがねの毛抜き。主そしらぬ従者。
 つゆの癖なき。かたち、心、ありさますぐれ、世に経るほど、いささかのきずなき。同じ所に住む人の、かたみに恥ぢかはし、
いささかのひまなく用意したると思ふが、つひに見えぬこそかたけれ。
 物語、集など書き写すに、本に墨つけぬ。よき草子などは、いみじう心して書けど、かならずこそきたなげになるめれ。
 男、女をば言はじ、女どちも、契り深くて語らふ人の、末まで仲よき人かたし。


問題の答は、反転させると見やすくなります。
1 次の語の本文中での読みを、現代仮名遣いで答えなさい。
 1)従者          ずさ

 2)癖           くせ
 3)経る          ふる
 4)墨           すみ
 5)契り          ちぎり

2 下線部を単語に分けて、文法的に説明しなさい。
 1)舅にほめらるる婿。    「ほめ」マ行下二段活用動詞「ほむ」の未然形・「らるる」受身の助動詞「らる」の連体形
 2)姑に思はるる嫁の君。    
「思は」ハ行四段活用動詞「思ふ」の未然形・「るる」受身の助動詞「る」の連体形

3 下線部の係助詞の結びの語について説明しなさい。
 1)つひに見えぬこそかたけれ。        結びの語は「かたけれ」。ク活用形容詞「かたし」の已然形
 2)かならずこそきたなげになるめれ。      結びの語は「めれ」。推量の助動詞「めり」の已然形


4 下線部を文法的に説明しなさい。
 1)世に経るほど、いささかのきずなき。       ハ行下二段活用動詞「経(ふ)」の連体形
 2)いささかのひまなく用意したると思ふが、      ナリ活用形容動詞「いささかなり」の語幹
 3)物語、集など書き写すに、本に墨つけ    打消の助動詞「ず」の連体形
 4)かたみ恥ぢかはし、            副詞「かたみに」の一部
 5)かならずこそきたなげなるめれ。       ナリ活用形容動詞「きたなげなり」の連用形「きたなげに」の活用語尾
 6)男、女をば言は             打消意志の助動詞「じ」の終止形


5 下線部の語句の文中での意味を答えなさい。
 1)ありがたきもの             めったにない
 2)そしらぬ従者。           けなさない
 3)かたち、心、ありさますぐれ、       容貌 ・ ようす
 4)いささかのきずなき。           ほんの少しの欠点
 5)つひに見えぬこそかたけれ。        最後まで

6 下線部を現代語訳しなさい。
 1)つゆの癖なき              ほんの少しの癖もない人
 2)同じ所に住む人の、かたみに恥ぢかはし    お互いに気をつかいあって
 3)物語、集など書き写すに、本に墨つけぬ    原本に墨をつけないこと
 4)契り深くて語らふ人の、末まで仲よき人かたし  深い約束ごとがあって交際している人で、晩年まで仲がよい人はめったにいない



枕草子  一覧

練習問題
 一覧



ナビゲーション