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楽古文
重要敬語 まゐる(参る)



 まゐる(参る)
  「行く」「与ふ」「やる」の謙譲語
  
「食ふ」「飲む」「着る」などの尊敬語 

   「行く」の謙譲語。「与ふ」「やる」の謙譲語。「食ふ」「飲む」「着る」などの尊敬語。
   「まゐる」は謙譲語としての「参上する」「参詣する」の意が原義であるが、
   尊敬語としての用法もあるので注意が必要。
   「まゐり集まる」「まゐり着く」「まゐり馴る」など複合語をつくることも多い。
   


    自動詞 …  謙譲語 「行く」の謙譲語「参上する」「出仕する」「参詣する」)(例文12)
    他動詞 … ア 謙譲語 「与ふ」「やる」の謙譲語「さしあげる」「奉仕する」)(例文3)
           イ 尊敬語 「食ふ」「飲む」「着る」などの尊敬語「召しあがる」「お召しになる」)(例文4)

   
    例文5は尊敬語としての用例であるが、「まゐる」の対象に応じて適切な訳語を考える必要がある例。

   このほか、たとえば、「御格子まゐる」という表現がされている場合、
   格子がしまっている状態に「まゐる」なら「格子をおあけになる」意、
   格子があいている状態に「まゐる」なら「格子をおしめになる」意ととらえられる。

   
さらには、「まゐる」が謙譲を表す場合も考えられ、
   「格子をおあけする」「格子をおしめする」と訳すべき場合もある。
   主体と状況に注意が必要となる。

   

   

   例1:宮にはじめて参りたるころ、……。            (「(宮仕えに)行く」の謙譲語)
      
(中宮のもとにはじめて出仕したころ、……。)

   例2:初瀬になむ、昨日みな参りにける。                (「行く」の謙譲語)
      
(長谷寺に、昨日みな参詣した。)

   例3:かくあやしき物、まゐるやうあらじ。               (「与ふ」の謙譲語)
      (こんな見苦しいものを、さしあげるということはないだろう。)

   例4:
御心地もまことに苦しければ、ものもつゆばかりまゐらず。     (「食ふ」の謙譲語)
      
(気分が本当に苦しいので、ものもまったく召しあがらない。)

   例5:大殿油まゐりて、夜ふくるまで(古今集を)読ませたまひける。   (「用ゐる」の謙譲語)
      
(御殿の燈火をおつけになって、夜がふけるまで(古今集を)お読みになった。)

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