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楽古文
大鏡 若き日の道長(一)影をば踏まで 問題
      四条大納言のかく何事もすぐれ、めでたくおはしますを


 四条大納言のかく何事もすぐれ、めでたくおはしますを、大入道殿、「いかでかかからむ。うらやましくもあるかな。わが子どもの、
影だに踏むべくもあらぬこそ口惜しけれ。」と申させたまひければ、中の関白殿・粟田殿などは、げにさもとやおぼすらむと恥づかしげなる
御気色にて、ものものたまはぬに、この入道殿は、いと若くおはします御身にて、「影をば踏まで、面をや踏まぬ。」とこそ仰せられけれ。
まことにこそさおはしますめれ。内大臣殿をだに、近くて見奉りたまはぬよ。


問題の答は、反転させると見やすくなります。
1 文中に登場する人物はそれぞれ誰のことか。文中の呼び名と姓名を結びつけなさい。
 1)四条大納言   (  )

 2)大入道殿    (  )
 3)中の関白殿   (  )
 4)粟田殿     (  )
 5)入道殿     (  )
 6)内大臣殿    (  )

  ア 藤原道長   イ 藤原兼家(道長の父)   ウ 藤原道隆(道長の兄)   エ 藤原道兼(道長の兄)
  オ 藤原教通(道長の子)   カ 藤原公任


2 「いかでかかからむ。うらやましくもあるかな。」の「かから」はどういうことをさしているか。
   四条大納言がどんなことも人よりまさっていてりっぱでいらっしゃること。

3 「まことにこそさおはしますめれ。」とは誰がどのようでいらっしゃることを言っているか。空欄を埋めて答えなさい。
   「( 影をば踏まで、面をや踏まぬ )」と言った( 入道殿(道長) )が、今は
   その言葉どおりに( 四条大納言(公任) )よりも上の地位になっていらっしゃること。


4 「内大臣殿をだに、近くて見奉りたまはぬよ。」について
 1)主語は誰か。
   四条大納言(藤原公任)
 2)副助詞「だに」は軽いものをあげて重いものを類推させる。ここでの「軽いもの」と「重いもの」をそれぞれ答えなさい。
   軽いもの = 内大臣殿(藤原教通)を近くで見申し上げなさらない。
   重いもの = 内大臣殿の父である藤原道長には当然遠慮して近寄り申し上げなさらない。

5 下線部の助動詞の意味を選択肢から選んで記号で答え、その活用形を答えなさい。(重複あり)
 1)いかでかかから。         (  ・ 連体形 )
 2)げにさもとやおぼすらむ。       (  ・ 連体形 )
 3)いと若くおはします御身て      (  ・ 連用形 )
 4)影をば踏まで、面をや踏ま。     (  ・ 連体形 )
 5)まことにこそさおはしますめれ。     (  ・ 已然形 )

  ア 完了   イ 意志   ウ 断定   エ 推量   オ 現在推量
  カ 打消   キ 伝聞


6 下線部を単語にわけて、文法的に説明しなさい。
 1)影だに踏むべくもあらぬこそ口惜しけれ。       あら/ぬ/こそ/口惜しけれ
   ラ行変格活用動詞「あり」の未然形+打消の助動詞「ず」の連体形+強意の係助詞
   +シク活用形容詞「口惜し」の已然形

 2)「影をば踏まで、面をや踏まぬ。」とこそ仰せられけれ。  仰せ/られ/けれ
   サ行下二段活用動詞「仰す」の未然形+尊敬の助動詞「らる」の連用形+過去の助動詞「けり」の已然形

7 下線部の語句の文中での意味を答えなさい。
 1)四条大納言のかく何事もすぐれ、めでたくおはしますを、    りっぱでいらっしゃる
 2)げにさもとやおぼすらむと                実際に
 3)恥づかしげなる御気色にて               ご様子

8 下線部を現代語訳しなさい。
 1)いかでかかからむ。うらやましくもあるかな。           どうしてあのようであるのだろうか
 2)わが子どもの、影だに踏むべくもあらぬこそ口惜しけれ。     影さえ踏めそうもない
 3)影をば踏まで、面をや踏まぬ。」とこそ仰せられけれ。      影は踏まないで、顔をふまないことがあろうか、いや踏むのだ



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