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楽古文
「らむ」の識別

「らむ」の識別

1 現在推量の助動詞「らむ」の終止形(または連体形)
   例:
憶良らは今はまからむ子泣くらむ      (万葉集)
     
(憶良はもう退出しよう。今ごろは子どもが泣いているだろう。)

     現在推量の「らむ」は終止形につく。「らむ」の上の語が終止形なら現在推量の助動詞と判断する。
     ラ変型活用の語には連体形につく。ラ変型活用では形容詞に注意。

2 ラ行四段活用動詞の未然形語尾+推量・意志の助動詞「む」の終止形(または連体形)
   例:
「文書きおきてまからむ。」 (「手紙を書き残して退出しよう。」)
      「らむ」の上の部分が一語として不自然。「ら」を「る」とすると上の部分とあわせて動詞の終止形となる。
     ここは「まかる」で「退出する」意。

3 形容詞の未然形語尾の一部+推量・意志の助動詞「む」の終止形(または連体形)
   例:
恋しからむ折々、取り出でて見給へ。 (恋しいだろう時々、取り出してご覧ください。)
      「らむ」の上の部分が形容詞の活用した形で、「…か」となっている。
     ここは「恋しから」が形容詞「恋し」の未然形。

4 形容動詞の未然形語尾の一部+推量・意志の助動詞「む」の終止形(または連体形)
   例:
静かならむ時に問はまし。 (静かであろう時に訪ねよう。)
      「らむ」の上の部分を「…なり」の形にすると、状態様子を表すナリ活用形容動詞となる。

5 完了・存続の助動詞「たり」の未然形の一部+推量・意志の助動詞「む」の終止形(または連体形)
   例:
絵よく書きたる屏風を立てたらむやうなり。 (絵を上手にかいた屏風を立てて並べたようである。)
       「らむ」の直前の「た」と「ら」で「たり」の未然形「たら」となっている。
     完了の「たり」は連用形につくので、「たら」の上の語が連用形となっている。 

6 完了・存続の助動詞「り」の未然形+推量・意志の助動詞「む」の終止形(または連体形)
   例:
このわたりの、心知れらむ者を召して、問へ。 (このあたりの、事情を知っている者を呼んでたずねよ。)
     完了の「り」はサ変動詞の未然形か四段動詞の已然形につくので、
     「らむ」の上がサ変動詞の未然形か四段動詞の已然形になっている。

7 断定の助動詞「なり」の未然形語尾の一部+推量・意志の助動詞「む」の終止形(または連体形)
   例:
うつくしかりつる児かな。何人ならむ。 (かわいらしい子であるよ。どういう人であるのだろう。)
     「らむ」の直前の「な」と「ら」で「なり」の未然形「なら」となっている。
     断定の「なり」は体言または連体形につくので、「なら」の上が体言または連体形となっている。

  は、未然形が「ら」または「…ら」となる語に、推量の助動詞「む」がついた形である。

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