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楽古文
徒然草 家居のつきづきしく 問題  
     家居のつきづきしく、あらまほしきこそ  (第十段)


文章全体を二つに分けて問題を作成しています。

 家居のつきづきしく、あらまほしきこそ、仮の宿りとは思へど、興あるものなれ。
 よき人の、のどやかに住みなしたる所は、差し入りたる月の色も、ひときはしみじみと見ゆるぞかし。今めかしくきららかならねど、木立
ものふりて、わざとならぬ庭の草も心あるさまに、簀子、透垣のたよりをかしく、うちある調度も昔おぼえて安らかなるこそ、心にくしと見ゆれ。
 多くの工の、心を尽くして磨きたて、唐の、大和の、めづらしく、えならぬ調度ども並べ置き、前栽の草木まで心のままならず作りなせるは、
見る目も苦しく、いとわびし。さてもやは長らへ住むべき。また、時の間の煙ともなりなむとぞ、うち見るより思はるる。おほかたは、家居にこそ、
ことざまは推し量らるれ。

問題の答は、反転させると見やすくなります。

1 次の語の本文中での読みを、現代仮名遣いで答えなさい。
 1)透垣       すいがい
 2)工        たくみ
 3)前栽       せんざい


2 下線部の語句の文中での意味を書きなさい。
 1)家居のつきづきしくあらまほしきこそ      似つかわしく ・ 理想的である
 2)よき人の、のどやかに住みなしたる所は     りっぱな人
 3)今めかしくきららかならねど          当世風で
 4)わざとならぬ庭の草も心あるさまに       趣がある
 5)昔おぼえて安らかなるこそ、心にくしと見ゆれ。   奥ゆかしい
 6)見る目も苦しく、いとわびし。          やりきれない


3 下線部の係助詞の結びの語を指摘して、文法的に説明しなさい。
 1)昔おぼえて安らかなるこそ、心にくしと見ゆれ。    見ゆれ・ヤ行下二段活用動詞「見ゆ」の已然形
 2)時の間の煙ともなりなむと、うち見るより思はるる。  るる・自発の助動詞「る」の連体形
 3)家居にこそ、ことざまは推し量らるれ。       るれ・可能の助動詞「る」の已然形


4 下線部の助動詞の文法的な意味と活用形を答えなさい。
 1)あらまほしきこそ、仮の宿りとは思へど、興あるものなれ。 断定・已然形
 2)よき人の、のどやかに住みなしたる所は        存続・連体形
 3)今めかしくきららかならど、木立ものふりて      打消・已然形
 4)前栽の草木まで心のままならず作りなせは      存続・連体形
 5)さてもやは長らへ住むべき。             可能・連体形


5 下線部を現代語訳しなさい。
 1)木立ものふりて、わざとならぬ庭の草も心あるさまに     とくに手をかけたのでもない
 2)うちある調度も昔おぼえて安らかなるこそ、心にくしと見ゆれ。 古風な感じで落ち着いている
 3)さてもやは長らへ住むべき。              そうであっても生きながらえて住むことができるだろうか、いやできない
 4)また、時の間の煙ともなりなむとぞ、うち見るより思はるる。   あっという間に(焼けて)煙になってしまうだろう
 5)おほかたは、家居にこそ、ことざまは推し量らるれ。     住む人の人がらは推察される


6 以下にあげたもののうち、作者が考えるよい住まいに属するものはA、悪い住まいに属するものはBと答えなさい。
 1)多くの大工が美しく仕上げている。        (  )
 2)調度品が古風で落ち着いている。        (  )
 3)中国のすばらしい調度品がおいてある。      (  )
 4)庭の植え込みが手をかけて整えられている。    (  )
 5)庭の草が自然のままに見えて風情がある。     (  )



 後徳大寺大臣の、寝殿に、鳶ゐさせじとて縄を張られたりけるを、西行が見て、「鳶のゐたらむは、何かは苦しかるべき。この殿の御心、
さばかりにこそ。」とて、その後は参らざりけると聞きはべるに、綾小路宮の、おはします小坂殿の棟に、いつぞや綱を引かれたりしかば、
かのためし思ひ出でられはべりしに、まことや、「烏の群れゐて池の蛙を捕りければ、御覧じ悲しませたまひてなむ。」と人の語りしこそ、
さてはいみじくこそとおぼえしか。後徳大寺にも、いかなる故か侍りけむ。

問題の答えは、反転させると見やすくなります。

1 次の語の本文中での読みを、現代仮名遣いで答えなさい。
 1)大臣     おとど
 2)鳶      とび
 3)烏      からす


2 下線部の語の文中での意味を書きなさい。
 1)かのためし思ひ出でられはべりしに     先例
 2)後徳大寺にも、いかなるか侍りけむ。   理由


3 下線部の係助詞の結びの語は省略されている。省略されたと考えられる語を選択肢から選び、記号で答えなさい。
   この殿の御心、さばかりにこそ。     (  )
    ア あらん    イ あらめ    ウ はべる    エ あらじ


4 「御覧じ悲しませたまひてなむ。」について
 1)誰が何を御覧になって悲しみなさったのか。
    綾小路宮が烏が池の蛙を捕るのを御覧になって悲しみなさった。
 2)悲しみなさって、どうしたのか。現代語で答えなさい。
    小坂殿の棟に烏がとまらないように縄をお引きになった。

5 下線部を現代語訳しなさい。
 1)鳶のゐたらむは、何かは苦しかるべき。  どうして不都合なことがあろうか、いや不都合なことはないだろう
 2)さてはいみじくこそとおぼえしか。     それならばすばらしいことだ
 3)後徳大寺にも、いかなる故か侍りけむ。  どのようなわけがございましたのでしょうか


6 下線部の「なむ」の文法的な違いを説明しなさい。
 1)時の間の煙ともなりなむとぞ、うち見るより思はるる。  強意の助動詞「ぬ」の未然形+推量の助動詞「む」の終止形
 2)御覧じ悲しませたまひてなむ。          強意の係助詞

7 後徳大寺の大臣が寝殿に縄を張ったことに対し、西行が「御心、さばかりにこそ」と感じた気持ちに近いものは、次のうちどれか。
                                    (  )
    ア 風流心がある    イ 慈悲の心がない    ウ 利益を求めている    エ 信仰心があつい

8 西行の家集の名を答えなさい。
    山家集

 

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