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楽古文
徒然草 久しく隔たりて会ひたる人の 問題  
     久しく隔たりて会ひたる人の、わが方に   (第五六段)


 久しく隔たりて会ひたる人の、わが方にありつること、数々に残りなく語り続くるこそ、あいなけれ。隔てなく慣れぬる人も、ほど経て見るは、
はづかしからぬかは。つぎざまの人は、あからさまに立ち出でても、今日ありつることとて、息もつぎあへず語り興ずるぞかし。
よき人の物語するは、人あまたあれど、一人に向きて言ふを、おのづから人も聞くにこそあれ。よからぬ人は、たれともなく、
あまたの中にうち出でて、見ることのやうに語りなせば、みな同じく笑ひののしる、いとらうがはし。をかしきことを言ひてもいたく興ぜぬと、
興なきことを言ひてもよく笑ふにぞ、品のほど計られぬべき。
 人のみざまのよしあし、才ある人はそのことなど定め合へるに、おのが身をひきかけて言ひ出でたる、いとわびし。

問題の答は、反転させると見やすくなります。

1 次の語の本文中での読みを、現代仮名遣いで答えなさい。
 1)隔て     へだて
 2)才      ざえ


2 下線部の係助詞の結びの語を指摘して、文法的に説明しなさい。
 1)数々に残りなく語り続くるこそ、あいなけれ。       あいなけれ・ク活用形容詞「あいなし」の已然形
 2)興なきことを言ひてもよく笑ふに、品のほど計られぬべき。 べき・推量の助動詞「べし」の連体形


3 下線部の助動詞の文法的意味と活用形を答えなさい。
 1)ほど経て見るは、はづかしからかは。         打消・連体形
 2)おのづから人も聞くこそあれ。            断定・連用形
 3)をかしきことを言ひてもいたく興ぜと          打消・連体形
 4)興なきことを言ひてもよく笑ふにぞ、品のほどは計られべき。 強意・終止形
 5)才ある人はそのことなど定め合へに          存続・連体形


4 下線部の語句の本文中での意味を答えなさい。
 1)数々に残りなく語り続くるこそ、あいなけれ。       感心しない
 2)あからさまに立ち出でても、今日ありつることとて      ちょっと
 3)よき人の物語するは、人あまたあれど、一人に向きて言ふを 教養があって上品な人 ・ 大勢
 4)おのづから人も聞くにこそあれ。            しぜんと
 5)ある人はそのことなど定め合へるに          学才
 6)おのが身をひきかけて言ひ出でたる、いとわびし。      気にくわない/嫌な感じだ


5 下線部を現代語訳しなさい。
 1)ほど経て見るは、はづかしからぬかは。        気づまりでないことがあるだろうか、いや気づまりなものであろう
 2)みな同じく笑ひののしる、いとらうがはし。        笑って騒ぐのがたいそうやかましい
 3)をかしきことを言ひてもいたく興ぜぬと、         それほどおもしろがらないこと
 4)興なきことを言ひてもよく笑ふにぞ、品のほど計られぬべき。 人がらの程度がきっとおしはかられるだろう


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